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睡眠とせん妄

あけましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いします。 早速ですが、最近、せん妄と睡眠に関する研究が出たので紹介ー。 一般的には睡眠障害とせん妄は、睡眠障害→せん妄→睡眠障害みたいに考えられていると思います。。。ここをもうちょっと考えてみます。 睡眠障害はせん妄の症状のひとつであるから、せん妄→睡眠障害はありだとして、睡眠障害がある場合、せん妄になるのか?よくよく考えると分からなくなってきませんか?実は少なくともICUの領域で睡眠障害がせん妄の「原因」になりうるのかはよく分かっていません。それを調べるには、せん妄に先行して睡眠障害があるか調べなければなりません。 で、それを調べたのがこの研究。 Kamdar BB, Niessen T, Colantuoni E, et al. Delirium Transitions in the Medical ICU. Crit Care Med . 2014:1. ICUに一泊以上入室した患者223人で、毎日の主観的な睡眠状況と、せん妄に関して調査しています。 結果は、主観的な睡眠とせん妄への移行には関連がみられなかった、との結果です。ICUでは睡眠以外にも侵襲そのものであったり、鎮静薬であったり、せん妄と関連する因子がたくさんあるので、そちらの方が主な原因なのでしょうかね。また、今回はあくまでも主観的な睡眠状況なので、PSGなどで調べると何か違うのかな。まだまだ謎が多い分野ですね。

インタラクティブティーチングを看護教育に取り入れてもいいかも

久々の投稿ですが、今回は教育のe-learningの紹介です。 皆さんは病棟で行う学習会をどのように行っていますか? パワーポイントを使って、講義者が一方的に受講生に説明するだけの学習会になっていませんか。 それでは受講生の頭の中には10%程度しか残りません。 また、教え方を知らない人がいくら指導しても、相手の頭にはほとんど残らないでしょう。指導者がスペシャリストであっても。 「じゃあ、どうすればいいの!?」 講義を双方に学びあえる場を作ればいいんです。受講生からの発言(得た知識をアウトプットさせる)させたり、ディスカッションさせることで、知識の定着率を高めることができます。 その教育について学ぶことができるe-learningがあります。 最近、看護教育学でも話題になっている東京大学の中原淳先生をはじめ、たくさんの講師が協力して立ち上げたプロジェクトです。 http://gacco.org 「インタラクティブティーチング」 そのテーマも「聞くだけの授業はやめにしよう!」という内容です。 興味のある方は一度覗いてみてください。すぐ活用できる教育の方法が満載です。 追伸:最近思うことですが、学会は誰のためにあるのでしょうか。学会は最新のエビデンスを広め、聞いた人がそのエビデンスを活用してよりよい看護を提供できるように働きかける集まりだと私は認識しています。しかし、教育講演を覗いても講義者が一方的に話をして終了というものが多いです。これでは聞いた人の頭には10%程度しか残らず、病院に戻ってもその知識を活用することは難しいでしょう。聞いた人の行動変化をさせるような講義を教育的にデザインしていく必要があるんじゃないかなっと勝手に独り言です。少なくとも私はそうしていきたい(TEDみたいな講義もカッコいいけどね笑)。

バイトブロックの装着基準について

経口挿管している患者は、挿管苦痛を訴えることが多い。それは、チューブ留置に伴う疼痛や呼吸器との同調性、話せないことによるストレスなど様々な因子がある。挿管チューブを噛み切ろうとする行為もこれらの苦痛を患者なりに表現している仕草である。挿管チューブは噛むことにより呼吸器からの酸素が途絶えてしまうこともある。医療安全の観点からこれを予防するためにバイトブロックがルーチンで使用されてきた。しかし、バイトブロックを装着すること事態が弊害を生むケースも少なくない。バイトブロックは口腔や皮膚を圧迫し、潰瘍の形成することがある。さらに、口腔ケアを実施するときに邪魔になり、十分な口腔ケアが実施できないこともある。そして、患者もバイトブロックがあること事態が不快であるという患者もいる。そのため、近年バイトブロックを外そうとする風潮がある。 JSEPTIC 看護部のメーリングリストで先日このことについて情報を交換する機会があった。 「他の施設でバイトブロックを装着しない基準があるのか」という質問からであった。その施設はルーチンでバイトブロックを使用することを止め、非適応患者にはバイトブロックは積極的に外していきたいという想いからであった。 その中で様々な意見がメーリングリスト内で飛び交った。 バイトブロックの非適応患者に「脳外以外」「歯がない患者」「意思疎通可能で意識障害がない患者」が挙げられたが、これらを明確に基準としている施設はなく、個人に任せているという施設や、スタッフと相談して決定している施設などがほとんどであった。 挿管患者に抑制を装着する基準などは明確にされているが、バイトブロックにはこれらの基準はない(知らないだけかもしれないが)。バイトブロックは抑制同様 ICU ではルーチン化された文化的な業務である。クリティカルケア領域では患者個々に合わせたケアが要求される。バイトブロックも患者個々に合わせて種類を考え、不要な患者には外すよう関わっていく必要があるのではないか。少なくとも、上記のバイトブロック非適応患者には装着しないようにスタッフ間で相談しなくても良いのではないだろうか。私たちはルーチンで患者さんを看ている訳ではないのだから。

SSCGの和訳が公開!

Surviving Sepsis Campaign:重症敗血症および敗血症性ショックの管理に関する国際ガイドライン(2012年版)の和訳について 突然ですが、敗血症のガイドラインって知っていますか? 2002年に米国集中治療医学会(SCCM)と欧州集中治療医学会(ESICM)、国際敗血症フォーラム(ISF)の合同カンファレンスがスペインで開催され、「5年間で重症敗血症患者の死亡率を25%減らす!」という目標を掲げたキャンペーンが開始されました。 これがよく聞くSSC(Surviving Sepsis Campaign)です。 そして、2004年にSSCGと言われる国際敗血症ガイドラインが発表されたのです。 以前、看護師版の敗血症ガイドラインをブログで書き込みましたが、これもSSCGがよく引用されており、基となっているでしょう。 このガイドラインは4年毎に改訂されており、2008年、2012年にそれぞれ発表されています。 しかし、どこを探しても2012年のガイドラインは英語ばかり、、。 「う〜、、読みたいけど読めない。。」と嘆いていましたが、たくさんの先生方の協力によりついに和訳されました! しかも、SSCGの最新版がSCCMのホームページに載ったのです。 http://www.learnicu.org/Pages/Guidelines.aspx 和訳を直接読みたいという方はこちらを。 http://www.survivingsepsis.org/SiteCollectionDocuments/Guidelines-Japanese.pdf 誰でも気軽に読むことができます。 これを読んで、「治療に口出しをしろ!」と言っているのではありません。 看護師として、チーム員の一人として、共通言語、共通理解をすることが大切なのです。 このガイドラインを読んで、もう一度看護師版の敗血症ガイドラインを読むと視野がさらに広がるかもしれません。 皆さんの参考になれば幸いです。

看護に役立つ論文紹介

みなさま JSEPTICのホームページで、看護師有志で行っている論文紹介をみることができます。 ぜひご覧くださいませ。。 http://www.jseptic.com/nursing_paper/index.html

睡眠とせん妄

一般的には、睡眠とせん妄は深く関連していると信じられているが、実際にはどうどうだろう。 睡眠に関する障害(不眠であったり、昼夜逆転など)は、せん妄の症状(表現系)だったりするので、睡眠障害がせん妄を「引き起こす」のか、結果としてせん妄だから睡眠障害なのかは実はよく分かっていなかったりする、のかもしれない。なんていう疑問に対して調査した研究。 Kamdar, B. B. et al. Delirium Transitions in the Medical ICU. Crit Care Med 1 (2014).  この研究では、患者が自覚する睡眠に関する質とせん妄に関して調査している。 研究は、別の研究のsecondary analysisとして行われた。223人の内科系ICU患者に対して睡眠の質を調査し、せん妄に関してはCAM-ICUで評価した。睡眠の質と、せん妄への移行に関してその関連性を検討している。 結果をいうと、睡眠の質とせん妄への移行に関しては関連性がみられなかった。 実は、ICUにおいては、睡眠の質がせん妄とどのくらい関連しているかは未だ不明。ICUでの睡眠障害は、環境だけじゃなくって、(思ったよりも)侵襲や薬剤によるものが多いと思う。実際に敗血症患者ではメラトニン分泌のリズムが消失するという研究もあるし。それらに対して環境を調整してどのくらい効果が挙げられるのかは、冷静に考えると・・・・どうですかね(うるさくしてもいいと言っている訳ではありません。)? PSGなどを使った客観的な睡眠状況と主観的な評価は違うんじゃないかとか、意見はあるとは思うけれど、どちらにしても、一般的に思われる結果、つまり睡眠障害はせん妄を引き起こす、という結果ではなかったことは興味深い。 まだまだよく分かっていないことはたくさんある。

呼吸器感染症へのアプローチ(看護師版敗血症ガイドラインより)

「Around every 3rd heart beat someone dies of sepsis」心臓が3回鼓動するたびに誰かが敗血症で命を失っている。 前回は看護師版の敗血症ガイドラインを紹介しましたが、読まれた方も多いと思います。 「英語が苦手で、、」という方もおられると思うので、一部を紹介します。 ただし、これはあくまで2011年に発表されたガイドラインなので、このとおりにしなければならない!という訳ではないです。 「へぇ〜、こんな考え方あるんだ。うちではしてないし、これをした方がいいかなぁ。」と思ったら取り入れてもいいかもしれません。 (参考に) grade 1A:エビデンスレベル高い  ⇩ grade 2C:エビデンスレベル低い 「呼吸器感染症を防ごう!(Prevention of Respiratory Infections)」 1.重症患者は頭部挙上30〜45°以上を維持を推奨します。(grade 1B)  保清時やシーツ交換時は頭部挙上を30°以上維持することは難しいので、10°以上は維持できるようにしましょう。 2.72時間以上呼吸器装着患者に対して、カフ上部吸引付き挿管チューブの使用を推奨します(grade1 A) 3.シルバーコーティングされた挿管チューブの使用を提案します。(grade 2A) (銀イオンが抗菌作用をもっており、海外ではシルバーコーティングされた挿管チューブがでまわっており、VAP減少に有効とする報告がいくつかあり、提案という位置づけで紹介されている) 4.ポリエチレンのカフを使用した挿管チューブを提案します。(grade2B) (カフ圧低下の原因は塩化ビニルの素材が原因であると考えられており、ポリエチレンを使用したカフはカフ圧低下が起こりにくいため、カフ圧低下による垂れ込みを防ぎます。これも海外で使われだしています。) 5.カフ圧は少なくとも20cmH2O以上、30cmH2O以上にならない圧で維持することを推奨します。(grade 1C) (今や常識と思われているカフ圧20-30cmH2Oだが、意外とgradeは1Cと低め。基となっている文献は実は20年前のものなんです。) 6.加温加湿器は患者毎...