2017年3月12日日曜日

論文紹介-ときどき更新されているので見てくださいね

集中治療医学会も終わりましたね。参加された方、どうでしたか?

JSEPTICホームページの看護に役立つ論文紹介
ボランティアの協力によって、ときどき更新されているので見てくださいね。感想もいただければ幸いです。
http://www.jseptic.com/nursing_paper/index.html

2016年5月9日月曜日

予定時間外のICU退室

なんとなく、危ない気はしていました

だって、日中にはもう少しICUにいてもらおうって言ってた人ですし・・・
夜には病棟のスタッフ人数は少ないですし・・・
患者も突然の環境の変化に対処できるのか・・・



でも実際こんな結果を示されると余計、出しにくいような・・・
せめて、十分な申し送りとフォローアップをこころがけよう。

Gantner, D., Farley, K. J., Bailey, M., Huckson, S., Hicks, P., & Pilcher, D. (2014). Mortality related to after-hours discharge from intensive care in Australia and New Zealand, 2005–2012. Intensive care medicine, 40(10), 1528-1535.

2016年2月14日日曜日

患者へのパンフレット

やっぱり、患者に対するICUの情報は少ないかもしれない。
看護学生だってICUのことちゃんとわからないかもしれないし、そうだったら患者、あるいは家族がICUで何が行われているのか?患者に何が起こっているのか?をきちんと知るのは本当に難しい。気管挿管されてるから声が出ない、って説明されて、すっとわかる人ってそれほどいるのかかな?わかってないことって誤解を生むきっかけになるし、心配だと思う。

SCCM(米国集中治療医学会)ではホームページに一般市民用のページがあり、もちろんPICSの説明もある。
http://www.myicucare.org/Adult-Support/Pages/Why-Does-the-Patient-Look-That-Way.aspx

こういうの、すばらしい取り組みだと思う。患者は医療従事者が私たちだけがわかればいいって管理するものではないし、そもそもチーム医療の中心は患者だ。患者がよく理解することが大切。
日本でもPICSやICUで起こりうることに関して記述されたパンフレットとかが配られたらいいのにな。誰か作らないかな。作りたい人がいたら連絡ください。

2016年2月1日月曜日

Handoff?

1日にたくさん行われる申し送り、英語ではHandoffとして知られています。

みなさんの申し送りの内容って標準化されていますか。
国際医療安全目標、International Patient Safety Goals (IPSG)では、情報と責任の移譲時に行われる申し送り(Handoff)に、標準的な手法を設定することが求められています。
コミュニケーションエラーを防ぐという目的です。

これは送る内容をあらかじめ決めて(例えば疼痛、せん妄、注射薬、安全上の心配事など)、これとこれはあったらあることを伝える、ないならないと伝えるということです。これは看護師の勤務交代だけでなく、休憩交代などにも求められています。確かにコミュニケーションエラーによるインシデントって意外と多く、有用かもしれません。

なんてことを考えていたら、たぶん、米国では標準的になっている(かもしれない)、面白いものを見つけました。

Bedside Handoffです。

ベッドサイドで、申し送りを、患者も交えて行う方法です。どこかの雑誌で、海外では回診に患者や家族が参加するというのをみましたが。。

よくよく考えれば、医療安全に患者にも参加してもらう手法としては優れています。
これからどんな薬を飲むのか、点滴が交換されるのか、どんな点に注意が必要なのかが申し送りとともに患者とも共有できるのですから。
雰囲気を知りたければココ。英語なのですが、なんとなく雰囲気がわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=Leq_FV-gY7w

こちらはICU version
https://www.youtube.com/watch?v=BuxgqvPwbqw

いかがでしょうか。できる、できないは別にして面白いと思って紹介しました。

2015年11月14日土曜日

第二回JSEPTIC看護部会セミナーのお知らせ

第二回JSEPTIC看護部会セミナー
以下の日程で第二回看護部会セミナーを行います。
ふるってご参加ください。参加登録はまた追ってお知らせします。

期日:2015/12/26
場所:杏林大学附属病院内講堂
参加費: 3000円

内容(予定)
12:00-12:20
オリエンテーション
12:10-13:30
「教え方」について再考しよう―次世代教育のポイントは 「教えない」?!
政岡祐輝 国立循環器病センター手術室
佐藤智夫 兵庫医科大学病院ICU
辻本雄大 奈良県立医科大学病院ICU
13:40-15:00
医療安全の新たなシステムの根本とはじめの一歩 〜RRSをはじめよう〜
北里大学病院 RRT/RRS室 森安恵美ほか
15:10-16:10
臨床に活かせる研究紹介
筑波大学附属病院 ICU/ER卯野木 健
16:20-17:20
Share Your Presentation(公募)


17:20-17:30 まとめ
筑波大学附属病院 ICU/ER卯野木 健
Share Your Presentation発表者は参加費が無料になります。
応募者は卯野木まで連絡ください。(iwhyh1029@gmail.com)

プレゼン時間は7-9分です。

2015年11月8日日曜日

英論文

英論文を読むことは大切じゃなく、大事なのはベッドサイドだという意見をきいた。
日本語の論文だったらいいのかな?
重要なことは、ベッドサイドでどれだけ良いケアを行うかということは同意。しかし、そのためには情報は多い方が良いだろう。そのなかで、日本語、英語を分ける必要性はあるのか。英語が読めない以外に正当化できるだろうか。世界中、当たらしく出版される情報のほとんどは英語である。それを察知できなければ良いケアはできないのではないか。そもそも英論文とベッドサイドを対比していることからおかしいのだ。
EBMの議論の中でも、レベルはこれよりも高いが同じ種類の議論があったようだ。私が分からないのは英論文を読むことがベッドサイドに役に立つという感覚が持てないことだ。そこを繫げることが臨床家の醍醐味じゃなかろうか。

2015年7月25日土曜日

ICUでの記憶

久しぶりに論文紹介でも。


Burry L, Cook D, Herridge M, et al. Recall of ICU Stay in Patients Managed With a Sedation Protocol or a Sedation Protocol With Daily Interruption. Crit Care Med. 2015:1. 

プロトコルに従った鎮静管理 vs プロトコル+毎日の鎮静中断を比較した研究の二次分析。

人工呼吸患者を対象に、退室後にインタビューし、滞在中の記憶を調査しています。ICUでの記憶がない患者は、90日後では36%に及びます。ちょっと興味深いのは退室直後は覚えているけれど、時間が経つと忘れてゆくところ(当たり前?)。また、この研究では、結構浅めの鎮静管理+しっかり鎮痛をしているハズで、その中でも記憶がない患者が割といるってことも興味深い(後で述べるけど、使っている鎮静薬の影響もあるかも)。

十分に睡眠がとれたと応える患者は、3日後で51%、28日後で66%、90日後で71%でこれもなんだか時間が経つと多くなっていきます。

殺されそうになった、とか、幻覚、悪夢などの、いわゆる妄想的な記憶は、それぞれ、72%、70%、62%とこれも時間とともに少し少なくなる傾向。でも、72%もの患者が妄想的な記憶を持っているということは重要。

28日後の妄想的な記憶の有無をアウトカムとした多変量解析では、妄想的な記憶とICU滞在中のせん妄に関連はみられなかった、とのこと。せん妄のときの記憶はあまり多くのことが分かっていなく、今後の課題です。

この研究では、鎮静はベンゾジアゼピン系が使用されています。この辺は、結果になんらかの影響を与えているかもしれませんね。



2015年6月6日土曜日

JSEPTIC看護部会セミナー

ちょっと遅くなりましたけど、

JSEPTIC看護部会セミナーを行いました。
RRSのシンポでは、藤谷先生(東京ベイ)、森安さん(北里大学病院)を中心に現在の様々な形のRRSを紹介していただきました。

論文紹介は、卯野木、桜本(筑波大学病院ICU)より、研究を理解する上で必要な知識の教授をしながら、いくつかの論文を紹介しました。
新人教育では、赤間さん(東北薬科大学病院ICU)、和田さん(みさと健和病院HCU)、辻本くん(奈良県立医科大学ICU)、佐藤君(兵庫医大病院ICU)から発表していただき、現場レベルの、些細かもしれないけれどみんなが悩んでいることに関して共有しました。

その後のShare Your Presentationでは、関西でのネットワークを目指している佐藤さん(京都大学)、今中くん(杏林大学病院ICU)は抑制を少なくした経緯の紆余曲折を説明してくれました。新潟大学の加藤さんは、メンバーを代表して救命センターと病棟のコミュニケーションを発表してくれました。
東京ベイの小波本さんは、看護師主体のM&Mの取り組みを、国立循環器病センターの政岡さんには、勉強会をしない学習(おもしろかった!!)、最後に筑波大学の櫻本さんに、筑波大学ICUのかなりちょっとした取り組み(インシデント予言集、打刻漏れをなくす取り組みなど)を発表してもらいました。

思ったことは、こういう現場レベルの、正解はないけど、みんな同じようなことで悩んでるんだな、というようなことが共有できる会は有意義だなということ。また、そのことの解決策がShare Your Presentationにちょっとあったり(そういう解決も正解はないだろうけど)。
また、みなさん、Presentationがうまい!!全体的に若手の発表者が多かったのですが、すごく上手に自施設の取り組みをプレゼンしていただき、感激しました。

次回もぜひやりたいと思います。今回来れなかった方、ぜひ!

2015年4月11日土曜日

Re;理論と実践

知っている人も多いかもしれないが、
あるブログからのリンクをご紹介

http://blog.goo.ne.jp/druchino/e/114108baa85cf5656997aeb4b6b6bb8f

このブログのメッセージにあるように、
「何かをしたいと思う気持ち」を「何かが出来る」に変えて行く力はこういうことに依存しているのだと思う

毎日、地道に努力して、論文読んだり勉強したりして、そうやって考え続けている人
でも、ちょっぴり疲れてしまったりもしている人

このブログ読んでみて、ちょっと元気がでる・・・

(この道を歩いているのが一人ではない気がするからだろうか?そもそも道なんて人の往来が無ければ道にならないけど)

2015年3月1日日曜日

浅い鎮静に耐えられる場合、耐えられない場合

世の中、浅い鎮静が推奨されていますが、浅い鎮静に耐えられる場合、耐えられない場合があるような気がしませんか?

私の印象では、浅い鎮静に長期間耐えられる人は、呼吸不全の程度が軽く、慢性疾患を持つ患者です。これはあくまでも印象で、No Evidenceです。
耐えることができないのは、呼吸不全の程度が重い患者。耐えられる、耐えられないという基準として一番重要なものは、呼吸状態の悪化だったりするわけだから(これも印象)、呼吸状態が反映するのは当たり前なのかもしれない。

でも、慢性疾患は興味深い気がしませんか。長期的に入院している患者は、挿管中にも、時間の潰し方を知っている気がします。なので、あまり不穏にならずに過ごせる気がします。みなさんはどう思いますか?

どのような患者で浅い鎮静は難しい、って特徴が分かれば役に立つ気がするんだけどなあ。

2015年1月4日日曜日

睡眠とせん妄

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

早速ですが、最近、せん妄と睡眠に関する研究が出たので紹介ー。

一般的には睡眠障害とせん妄は、睡眠障害→せん妄→睡眠障害みたいに考えられていると思います。。。ここをもうちょっと考えてみます。
睡眠障害はせん妄の症状のひとつであるから、せん妄→睡眠障害はありだとして、睡眠障害がある場合、せん妄になるのか?よくよく考えると分からなくなってきませんか?実は少なくともICUの領域で睡眠障害がせん妄の「原因」になりうるのかはよく分かっていません。それを調べるには、せん妄に先行して睡眠障害があるか調べなければなりません。
で、それを調べたのがこの研究。

Kamdar BB, Niessen T, Colantuoni E, et al. Delirium Transitions in the Medical ICU. Crit Care Med. 2014:1.

ICUに一泊以上入室した患者223人で、毎日の主観的な睡眠状況と、せん妄に関して調査しています。
結果は、主観的な睡眠とせん妄への移行には関連がみられなかった、との結果です。ICUでは睡眠以外にも侵襲そのものであったり、鎮静薬であったり、せん妄と関連する因子がたくさんあるので、そちらの方が主な原因なのでしょうかね。また、今回はあくまでも主観的な睡眠状況なので、PSGなどで調べると何か違うのかな。まだまだ謎が多い分野ですね。


2014年12月16日火曜日

インタラクティブティーチングを看護教育に取り入れてもいいかも

久々の投稿ですが、今回は教育のe-learningの紹介です。

皆さんは病棟で行う学習会をどのように行っていますか?
パワーポイントを使って、講義者が一方的に受講生に説明するだけの学習会になっていませんか。
それでは受講生の頭の中には10%程度しか残りません。
また、教え方を知らない人がいくら指導しても、相手の頭にはほとんど残らないでしょう。指導者がスペシャリストであっても。

「じゃあ、どうすればいいの!?」

講義を双方に学びあえる場を作ればいいんです。受講生からの発言(得た知識をアウトプットさせる)させたり、ディスカッションさせることで、知識の定着率を高めることができます。

その教育について学ぶことができるe-learningがあります。
最近、看護教育学でも話題になっている東京大学の中原淳先生をはじめ、たくさんの講師が協力して立ち上げたプロジェクトです。

http://gacco.org
「インタラクティブティーチング」

そのテーマも「聞くだけの授業はやめにしよう!」という内容です。
興味のある方は一度覗いてみてください。すぐ活用できる教育の方法が満載です。




追伸:最近思うことですが、学会は誰のためにあるのでしょうか。学会は最新のエビデンスを広め、聞いた人がそのエビデンスを活用してよりよい看護を提供できるように働きかける集まりだと私は認識しています。しかし、教育講演を覗いても講義者が一方的に話をして終了というものが多いです。これでは聞いた人の頭には10%程度しか残らず、病院に戻ってもその知識を活用することは難しいでしょう。聞いた人の行動変化をさせるような講義を教育的にデザインしていく必要があるんじゃないかなっと勝手に独り言です。少なくとも私はそうしていきたい(TEDみたいな講義もカッコいいけどね笑)。

2014年11月6日木曜日

バイトブロックの装着基準について

経口挿管している患者は、挿管苦痛を訴えることが多い。それは、チューブ留置に伴う疼痛や呼吸器との同調性、話せないことによるストレスなど様々な因子がある。挿管チューブを噛み切ろうとする行為もこれらの苦痛を患者なりに表現している仕草である。挿管チューブは噛むことにより呼吸器からの酸素が途絶えてしまうこともある。医療安全の観点からこれを予防するためにバイトブロックがルーチンで使用されてきた。しかし、バイトブロックを装着すること事態が弊害を生むケースも少なくない。バイトブロックは口腔や皮膚を圧迫し、潰瘍の形成することがある。さらに、口腔ケアを実施するときに邪魔になり、十分な口腔ケアが実施できないこともある。そして、患者もバイトブロックがあること事態が不快であるという患者もいる。そのため、近年バイトブロックを外そうとする風潮がある。
JSEPTIC看護部のメーリングリストで先日このことについて情報を交換する機会があった。
「他の施設でバイトブロックを装着しない基準があるのか」という質問からであった。その施設はルーチンでバイトブロックを使用することを止め、非適応患者にはバイトブロックは積極的に外していきたいという想いからであった。
その中で様々な意見がメーリングリスト内で飛び交った。
バイトブロックの非適応患者に「脳外以外」「歯がない患者」「意思疎通可能で意識障害がない患者」が挙げられたが、これらを明確に基準としている施設はなく、個人に任せているという施設や、スタッフと相談して決定している施設などがほとんどであった。

挿管患者に抑制を装着する基準などは明確にされているが、バイトブロックにはこれらの基準はない(知らないだけかもしれないが)。バイトブロックは抑制同様ICUではルーチン化された文化的な業務である。クリティカルケア領域では患者個々に合わせたケアが要求される。バイトブロックも患者個々に合わせて種類を考え、不要な患者には外すよう関わっていく必要があるのではないか。少なくとも、上記のバイトブロック非適応患者には装着しないようにスタッフ間で相談しなくても良いのではないだろうか。私たちはルーチンで患者さんを看ている訳ではないのだから。

2014年10月15日水曜日

SSCGの和訳が公開!

Surviving Sepsis Campaign:重症敗血症および敗血症性ショックの管理に関する国際ガイドライン(2012年版)の和訳について


突然ですが、敗血症のガイドラインって知っていますか?

2002年に米国集中治療医学会(SCCM)と欧州集中治療医学会(ESICM)、国際敗血症フォーラム(ISF)の合同カンファレンスがスペインで開催され、「5年間で重症敗血症患者の死亡率を25%減らす!」という目標を掲げたキャンペーンが開始されました。
これがよく聞くSSC(Surviving Sepsis Campaign)です。

そして、2004年にSSCGと言われる国際敗血症ガイドラインが発表されたのです。

以前、看護師版の敗血症ガイドラインをブログで書き込みましたが、これもSSCGがよく引用されており、基となっているでしょう。
このガイドラインは4年毎に改訂されており、2008年、2012年にそれぞれ発表されています。
しかし、どこを探しても2012年のガイドラインは英語ばかり、、。
「う〜、、読みたいけど読めない。。」と嘆いていましたが、たくさんの先生方の協力によりついに和訳されました!
しかも、SSCGの最新版がSCCMのホームページに載ったのです。
http://www.learnicu.org/Pages/Guidelines.aspx


和訳を直接読みたいという方はこちらを。
http://www.survivingsepsis.org/SiteCollectionDocuments/Guidelines-Japanese.pdf
誰でも気軽に読むことができます。


これを読んで、「治療に口出しをしろ!」と言っているのではありません。
看護師として、チーム員の一人として、共通言語、共通理解をすることが大切なのです。

このガイドラインを読んで、もう一度看護師版の敗血症ガイドラインを読むと視野がさらに広がるかもしれません。
皆さんの参考になれば幸いです。

2014年10月6日月曜日

看護に役立つ論文紹介

みなさま

JSEPTICのホームページで、看護師有志で行っている論文紹介をみることができます。
ぜひご覧くださいませ。。

http://www.jseptic.com/nursing_paper/index.html

2014年9月27日土曜日

睡眠とせん妄

一般的には、睡眠とせん妄は深く関連していると信じられているが、実際にはどうどうだろう。
睡眠に関する障害(不眠であったり、昼夜逆転など)は、せん妄の症状(表現系)だったりするので、睡眠障害がせん妄を「引き起こす」のか、結果としてせん妄だから睡眠障害なのかは実はよく分かっていなかったりする、のかもしれない。なんていう疑問に対して調査した研究。

Kamdar, B. B. et al. Delirium Transitions in the Medical ICU. Crit Care Med 1 (2014). 




この研究では、患者が自覚する睡眠に関する質とせん妄に関して調査している。
研究は、別の研究のsecondary analysisとして行われた。223人の内科系ICU患者に対して睡眠の質を調査し、せん妄に関してはCAM-ICUで評価した。睡眠の質と、せん妄への移行に関してその関連性を検討している。
結果をいうと、睡眠の質とせん妄への移行に関しては関連性がみられなかった。

実は、ICUにおいては、睡眠の質がせん妄とどのくらい関連しているかは未だ不明。ICUでの睡眠障害は、環境だけじゃなくって、(思ったよりも)侵襲や薬剤によるものが多いと思う。実際に敗血症患者ではメラトニン分泌のリズムが消失するという研究もあるし。それらに対して環境を調整してどのくらい効果が挙げられるのかは、冷静に考えると・・・・どうですかね(うるさくしてもいいと言っている訳ではありません。)?

PSGなどを使った客観的な睡眠状況と主観的な評価は違うんじゃないかとか、意見はあるとは思うけれど、どちらにしても、一般的に思われる結果、つまり睡眠障害はせん妄を引き起こす、という結果ではなかったことは興味深い。


まだまだよく分かっていないことはたくさんある。

2014年9月25日木曜日

呼吸器感染症へのアプローチ(看護師版敗血症ガイドラインより)


「Around every 3rd heart beat someone dies of sepsis」心臓が3回鼓動するたびに誰かが敗血症で命を失っている。

前回は看護師版の敗血症ガイドラインを紹介しましたが、読まれた方も多いと思います。

「英語が苦手で、、」という方もおられると思うので、一部を紹介します。
ただし、これはあくまで2011年に発表されたガイドラインなので、このとおりにしなければならない!という訳ではないです。
「へぇ〜、こんな考え方あるんだ。うちではしてないし、これをした方がいいかなぁ。」と思ったら取り入れてもいいかもしれません。


(参考に)
grade 1A:エビデンスレベル高い
 ⇩
grade 2C:エビデンスレベル低い


「呼吸器感染症を防ごう!(Prevention of Respiratory Infections)」
1.重症患者は頭部挙上30〜45°以上を維持を推奨します。(grade 1B)
 保清時やシーツ交換時は頭部挙上を30°以上維持することは難しいので、10°以上は維持できるようにしましょう。

2.72時間以上呼吸器装着患者に対して、カフ上部吸引付き挿管チューブの使用を推奨します(grade1 A)

3.シルバーコーティングされた挿管チューブの使用を提案します。(grade 2A)
(銀イオンが抗菌作用をもっており、海外ではシルバーコーティングされた挿管チューブがでまわっており、VAP減少に有効とする報告がいくつかあり、提案という位置づけで紹介されている)

4.ポリエチレンのカフを使用した挿管チューブを提案します。(grade2B)
(カフ圧低下の原因は塩化ビニルの素材が原因であると考えられており、ポリエチレンを使用したカフはカフ圧低下が起こりにくいため、カフ圧低下による垂れ込みを防ぎます。これも海外で使われだしています。)

5.カフ圧は少なくとも20cmH2O以上、30cmH2O以上にならない圧で維持することを推奨します。(grade 1C)
(今や常識と思われているカフ圧20-30cmH2Oだが、意外とgradeは1Cと低め。基となっている文献は実は20年前のものなんです。)

6.加温加湿器は患者毎に、5〜7日間毎に、または臨床所見で交換することを提案する(grade 2C)

7.呼吸器回路の交換はルーチンですべきでない(患者毎の交換を除いて)。(grade 1B)

8.気管内吸引のタイミングは、気管内分泌物が見えた時や音が聞こえた時、呼吸状態が悪化した時、患者の状態変化に応じて行う事を推奨する(grade1C)

9.すべての重症患者に対して通常の口腔ケアと齲歯の評価を行うことを推奨します(grade1C)
(プラーク1gには便1gと同じくらいの菌量が存在します。齲歯はさらに菌が豊富です。術前に歯科を受診してプラークフリーにする理由も頷けますよね)

10.口腔ケアはクロルヘキシジンでの洗浄を推奨します(grade 1A)
(口腔内をキレイにするというよりは、消毒するという感覚ですね。どんなに口腔ケアの手技が下手でも、消毒剤を口の中に入れれば消毒はできるので、ある意味統一したケアができます。)


これらは主にVAPをターゲットにして記載されています。
VAPは死亡率増加に繋がりますからね。
次回のICNRは呼吸器関連なので楽しみですね。「えっ!これってそういう意味だったの?」と驚くことも多いかもしれません。

2014年9月15日月曜日

看護師向け敗血症ガイドライン

みなさん、9月13日はWorld Sepsis Dayって知ってましたか?(敗血症なんて興味ないわって言う方もいるかもしれませんが。)
「世界では数秒に1人の割合で敗血症で亡くなる人がいます」、どこかで聞いたフレーズですが、敗血症で多くの命が奪われています。(それでも興味ない?)
敗血症はクリティカル領域ではよく遭遇する疾患です。そのため、医師、看護師、リハビリスタッフ、臨床工学技師などの他職種が連携することが重要とされています。

「Surviving Sepsis Campaign Guideline(SSCG)」は有名ですが、治療がメインで看護師にとってはちょっと難しいかもしれません。
看護師向けのものはないの?

実はあるんです!看護師向けの敗血症ガイドラインが!


2011年に世界クリティカルケア看護師連盟(World Federation of Critical Care Nurses:WFCCN)が63項目の看護ケアを推奨しています。
詳細はAitken LM, Williams G, Harvey M, et al. Nursing considerations to complement the Surviving Sepsis Campaign guidelines. Crit Care Med 2011; 39: 1800-18
WFCCNで発表されており、世界的には有名ですが、日本ではなぜか知名度が低く、まだ翻訳されたものはありません。
内容は、教育、手指衛生、呼吸器感染症予防のためのデバイスの提案や口腔ケア、カテ感染・SSI・尿路感染予防、ジョク瘡予防、アイケア、END POINTなどが記載されています。看護師向けなので、看護ケアの臨床に活かせそうな内容が紹介されています。

例えば、<手指衛生>の項目では、
1、別の患者の所に行く時や、同じ患者に異なったケアをする時などは手袋をしていようが、潜在的に手が汚染されているため、前後で手指消毒することを推奨します。(grade1B)
2、手の消毒方法はアルコール系の消毒を推奨します(grade1A)
3、目に見えて手が汚れている場合は、石けんと流水で手を洗うことを推奨します。(grade1A)
4、血液など、感染する恐れのあるものに触るときは手袋を使用することを推奨します。(grade1D)
(grade1Aが一番推奨されている内容です。)
「こんなの当たり前やん!」と思う人もいるかもしれません。でも、大事なことです。もし、特に先輩看護師にとっては。
新人は先輩の動きを良く観察しています。「あっ!あの先輩、手指衛生せずに他の患者さんのところに行ってる!」「先輩が許される職場なら私もいっか。」となり、その職場では手指衛生の遵守率はかなり低くなるでしょう。

でも、当たり前のことだけど、世界の看護師向けのガイドラインにも記載されるくらい大事なことなんです。

私たち看護師は患者に最も存在です。患者と接触する機会は医療者の中で最も多いはずです。
その私たちが、手指衛生をさぼればどうなるでしょう。。。

看護師だから大切な視点のヒントがこのガイドラインには記載されているように思います。
興味があれば一度読んでください。(英語ですが、、)

また機会があれば、中身を紹介していきますね。

2014年8月21日木曜日

せん妄は短期予後と関係がない?

久しぶりにせん妄ネタを

せん妄の期間が長いほどは死亡率が高いなどよく言われる。

Pisani, MA, et al. (2009). Days of delirium are associated with 1-year mortality in an older intensive care unit population. American journal of respiratory and critical care medicine, 180(11), 1092-1097.

がしかし、これらの多くは観察研究だ。

それと、以前このブログでもせん妄は一枚岩ではなく、もしかしたら、予後にあまり影響を与えないタイプ(せん妄の原因によっては)もあるかもしれないと、別の方が紹介していた。
が、これも観察研究で、あまり大きなことは言えない

また実際のせん妄をターゲットとした介入研究では、せん妄の期間を短く出来るが死亡率まで改善するに至らなっていない
これら、せん妄をターゲットとした介入研究の多くは、死亡率などを評価するには対象者の数が小さすぎるといった批判もある

そこで、せん妄期間を減少させるための介入研究(RCT)とその短期死亡率に関して行われた今回の論文を紹介します

Al-Qadheeb, NS, Balk, et al. (2014). Randomized ICU Trials Do Not Demonstrate an Association Between Interventions That Reduce Delirium Duration and Short-Term Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis*. Critical care medicine, 42(6), 1442-1454.

この論文では、いくつかの論文をまとめて評価して何か言えないかなーとあれこれ考えるMeta-Analysisという方法を使用して、対象者が少ない事の影響を少なくしようと試みている。

対象となったのは全部で17論文

Risperidone(リスパダール)、Quetiapine、ZiprasidoneなどのAntipsychotic therapyが4論文
Clonidineが1論文
Dexmedetomidine(プレセデックス)を、Propofol、Midazolam、Haloperidolなんかと比較したものが6論文
Rivastigmineが2論文
非薬剤療法として、DIS、SAT+SBT、Early mobilization、術中の還流圧を高値に維持する介入が4論文

この研究の結果は
全ての介入をまとめて評価すると平均のせん妄期間は減少するが、短期死亡率は減少しない
そしてせん妄期間と死亡率の間には関連がみられない、というものだ。

せん妄は、あくまで観察される結果であって原因ではないから、原因と関係なくせん妄症状を抑え込んだところで、予後にはあまり影響しないのか?
せん妄症状を抑え込もうとするAntipsychotic therapyとRivastigmine、Clonidineが全論文の41%(7/17)だしなー

はっきり言ってこのMetaは、介入も、対象も、たぶんせん妄の原因もばらばらだ。
この結果で、どこまで、何が言えるかよくわからない

せん妄の原因をある程度絞って、かつ、原因を根本的に解決する介入なら結果が違いそうなのになぁ
せめて、鎮静剤がらみのRCTだけでの比較結果がしりたかったなぁ

せん妄、考えれば考えるほど、わからないなー
せん妄が色々な原因による症状のまとまり(症候群)だからわからなくさせるのか
いっそうのこと、ICUシンドロームみたいにこの言葉も使わなくしてしまったらどうだろう、同じ症候群だし・・・
でもそれじゃ研究が前に進まない
とりあえず今はこの混乱を、自分自身も新たなデータを出しながら耐え忍ぶしかないのか

ほとんど独り言のようになってしまった、すみません。。。。

2014年8月3日日曜日

情報の伝達

暑いですね。
少しご無沙汰になっていたのですが、思うところをひとつ。

看護師が、いろいろ話し合って決定事項をつくいったり、伝達したい事項を伝えたい場合に、医師や他の職種と大きく違うところは、看護師は完全に交代勤務しかしていないので、みんなで集まることはできないというところ。

24人の看護師がいるところで、日勤終了後に集まったって、6-7人しかいない。ただ、施設によっては、夜勤のひと以外は集合とかいって、休みのひとや夜勤明けのひとも絶対参加みたいなところもあるみたいだけれども、そういうのは嫌いだから個人的にはやりたくない(労務管理上はやばいでしょう)。

で、結局、6-7人で話しあって結論を出したからといって、残りの16人が話し合いに参加した気になるかどうかは分からない。あらゆる会議は(理想的には)それに当事者として参加したという気分が重要であるわけで、それがそこでの決定のアドヒアランスにつながったりする。しかし、参加できない以上、そういう当事者意識は作り出しにくいということになる。

看護師同士の情報伝達は、一同に集まることができない以上、限られた情報しかないノートや休憩室トークなどアンオフィシャルな情報伝達によってによって伝わるので、尾ひれがついたり、真意が伝わらないことも多いと思う。ある情報にどういう尾ひれがつくかは、これは病棟の文化や雰囲気によって大きく異なると思う。それらの空気を読みながら、みんなに納得してもらって実行に移してそれを継続するのは結構大変な作業。


こういうところ、この前、○○さんに伝えたんだけど、まだみんなに伝わっていないね、とかいう医師やその他の職種に分かってもらいたいと思う。