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3月, 2014の投稿を表示しています

気管切開後のYガーゼ:どのくらいの期間挟む?

当院では、明確な基準はないのですが、気管切開直後から1〜2週間程度挟んでいます。出血が治まり、浸出液や分泌物が少なければ、挟まない方がいいのではないでしょうか?
カニューレ挿入部周囲は、分泌物や酸素加湿により湿潤状態にあり、緑膿菌などの付着や生産に最適な状態と言えます。したがって、感染予防や観察が重要です。 出血・浸出液・分泌物が多く、衣服などの汚染が懸念される場合は、Yガーゼを挟んだ方がいいですかね。しかし、菌の増殖の原因となる可能性があるため、汚染に気づけば交換します(頻繁な交換が必要なときも...)。 挟まない方が観察はしやすいですよね。
人工呼吸器装着の有無にかかわらず、ネックフランジと皮膚の接触部にトラブルを生じたという経験がないため、皮膚トラブルを予防する目的でYガーゼを挟んだことがありません。 ただし、ネックフランジが皮膚に接触することを患者が不快に感じるなら挟んでもいいですし、Yガーゼを不快に感じるなら外すといいでしょう。 予防的にということであれば、皮膚皮膜剤や皮膚保護材を使用した方がいいかもしれません。

CAM-ICUで自己抜管を予測できる?

せん妄のスクリーニングを看護師がなぜやってるか?
といえば、多臓器不全の一種だから、とか、死亡率の上昇に、と答えるのは以外と少数派かもしれない。

看護師がみたいのは、自己抜管しちゃったりするか、だったりする。それを予測するツールとしてせん妄スクリーニングを使う分けだ。では、これはあたっているのか?

実際の経験では微妙な印象もある。いません?CAM-ICUはNegativeでも怪しいひと。CAM-ICUはあくまでせん妄のスクリーニングであって、自己抜管するかどうかを予測しているわけじゃない。

もちろん、せん妄であれば自己抜管するリスクは高まる。しかし、絶対ではない。いわゆるHypoactive Deliriumで抑制なしでも問題ない患者もいるので。

1)せん妄の患者がすべて自己抜管するわけではない。
2)自己抜管する患者はすべてせん妄ではない。

なんだろうかと思う。じゃあ、せん妄のスクリーニングは自己抜管予測に役に立つのか?
たぶん、使える。でも、もともと自己抜管予測のために作られたものではないので、それを踏まえておく必要はある。CAM-ICU Negetiveなのに抜かれてしまった、CAM-ICUは意味あるの?という考えは少し間違っていると思う。せん妄スクリーニンングツールはせん妄をスクリーニングするものであって、自己抜管が起こるかどうかをスクリーニングしているわけじゃない。でも、せん妄の患者はせん妄ではない患者と比較して高い確率で自己抜管をしてしまうと思う。


もしかしたら自己抜管しそうかどうかにはさらに別のスクリーニングが必要かも?

海外論文

どうやって論文をチェックするの?という質問が良くあるので、ただの我流ですが、紹介します。
まず、主要な論文はe-alertでチェック。 何が主要論文かと言えば、個人的には
Critical Care Medicine 「CCM」よばれる。 Intensive Care Medicine 「ICM」とよばれる。 Critical Care
ですかね。これらは新しいのが出ればメールを送ってくれるシステムがあるのでそれを利用。Twitterでも同じようなことやってます。
もちろん、CHESTやAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (AJRCCM)も重要な雑誌だと思いますが、そこまで手は回らない。全部医学雑誌じゃないか!看護の雑誌も出せ!と怒る方もいるかもしれませんが、これらの主要紙には看護師の論文も結構出るし、できればこういうところに出したいという看護の研究者は多い。看護の雑誌、医学の雑誌と分けるんじゃなくって、Critical Care を題材にしてそれぞれがテーマに即した論文を投稿する、というのが大切なことだろうと思うし、実際に割とそうなっています。Critical Care Medicineにも看護師による研究があるし、看護に役立つ論文もたくさんある。
看護の雑誌としては、
American Journal of Critical Care
があります。情報量は主要論文に比べると随分少ないけれど、主要論文に掲載されなかった看護の論文はここに集まるといっていいかと。 もちろん大御所のJAMA、Lancet、New England Journal of Medicineというクリティカルケアに限らない雑誌もたくさんあります。これらにのるクリティカルケアの論文は注目度の高いものが多いです。

そんな感じです。誰かの、何かのお役にたてば。

接触隔離とインシデント

接触隔離を行っている場合、Medical Errorがおこりやすいという論文を少し。


Zahar, J. R., Garrouste-Orgeas, M., Vesin, A., Schwebel, C., Bonadona, A., Philippart, F., et al. (2013). Impact of contact isolation for multidrug-resistant organisms on the occurrence of medical errors and adverse events. Intensive Care Medicine, 39(12), 2153–2160. 
2つのICU、1221人からのデータ。接触隔離を行っているか否かとMedical Errorと有害事象の関連を調査した。Medical Errorとしては、抗凝固薬の処方、管理ミスとインスリンの処方、管理ミスを調査。有害事象としては、計画外抜管やVAP、出血、高血糖あるいは低血糖などを調査した。

結果としては、計画外抜管やVAPには差はなかったが、抗凝固薬の処方ミスが多く(HR: 1.9 [1.1-3.3])、高血糖(HR: 1.5 [1.2-2.0])、低血糖(1.5 [1.0-2.1])が多かった。
原因としては、カルテが部屋の中にあるので、足が遠のくかもしれない、ことが挙げられるとのこと。

なるほどねー。と思ったので紹介してみました。電子カルテは部屋の外にあることが大切?なのでしょうか。



ステロイドとせん妄

ステロイドはせん妄のリスク因子になるってことは広く知られてますけど、
では、ICUのALI患者ではどないなってん?って論文。


Schreiber, M. P., Colantuoni, E., Bienvenu, O. J., Neufeld, K. J., Chen, K.-F., Shanholtz, C., et al. (2014). Corticosteroids and Transition to Delirium in Patients With Acute Lung Injury. Critical Care Medicine, 1. 
520人のALI患者を対象にした前向きのコホート(患者群を追ってゆく)研究。 研究デザインの分類に関しては下のリンク参照してください。
http://www.metamedica.com/yogo.html
結構面白く、臨床で有意義な研究手法です。 結果は有意にステロイドとALI患者のせん妄に関連があるということです。 ステロイド使っている患者をみる場合は要注意や。
実は研究手法もなるほどなーと思うところもあるのですが、また後日にでも。

2014 日本集中治療医学会

集中治療医学会終わりましたねー。
大盛況な様子でしたね。

行った人も行ってない人もおつかれさまでした。行けなかった方も病棟を守っていただいた訳で、ありがとうございます。

今回は身体拘束に関してJSEPTICのデータを使ってお話させていただく機会をいただきました。アンケートに参加していただいた方、厚く御礼申し上げます。反響はあったようで、自施設で考えるきっかけになれば幸いです。

こういうアンケートを使って、まず、「現状」を明確にし、目的地をみんなで考えられればいいですね。今後ともそういうこと、やっていきたいと思いますので、アンケートを作りたいかたがいれば、

jseptic_nursing@jseptic.com

までお送りください。アンケート班が協力いたします。

あと、このアンケート結果は、新創刊の「ICNR: Intensive Care Nursing Review」に詳しく考察を交えて書いていますので、ご興味があればそちらもどうぞ。
ICNRはこういうのやってほしい!などのご意見も受け付けています。ご意見は、上記のアドレスに送っていただければと思います。