CAM-ICUとICDSCどちらが良い?
ICUにおけるせん妄のスクリーニングツールとしては、CAM-ICUとICDSCがメジャーどころです。これから導入するに当たってどちらがいいのでしょうか?
それぞれの特徴を主観も交えて解説すると、
CAM-ICU
良い点:
多くの論文で使用されている(ICDSCも使用されているが、CAM-ICUの方が多いと思います)。
ピンポイントで今せん妄かを評価することができる。
悪い点:
患者に質問しなければならないため、手間がかかる。
場合によっては、失礼な?質問をしなければならない。怒る患者もいるかもしれない。
陽性、陰性しかわからないため、重症度に関しては分からない。
ピンポイントでの判定しかできない。
ICDSC
良い点:
患者の協力が得られず簡便である。
ピンポイントでなく、ある一定の時間におけるせん妄の有無を評価できる。
点数化されているため、重症度をなんとなく知ることができる(真の意味で重症度が直線的に表されているかは置いておいて)。
悪い点:
CAM-ICUに比較するとマイナーである。
ピンポイントで今現在の評価をできない。
で、それぞれ、どのくらいせん妄を正しく評価できるのでしょうか。
メタアナリシスしている研究があるので、それを見てみましょう。
Gusmao-Flores, D., Salluh, J. I., Chalhub, R. A., & Quarantini, L. C. (2012). The Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit (CAM-ICU) and Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC) for the diagnosis of delirium: a systematic review and meta-analysis of clinical studies. Crit Care, 16(4), R115. doi:10.1186/cc11407
PMID: 22759376
CAM-ICU:感度 0.80 (0.77-0.83)、特異度 0.96 (0.95-0.97)
ICDSC: 感度 0.74 (0.65-0.81)、特異度 0.82 (0.76-0.86)
感度、つまりせん妄である患者をせん妄と判定できる確率はCAM-ICUが80%に対してICDSCは74%。少し差があるように見えるけれど、信頼区間を考慮に入れるとあまり差はなさそう。で、特異度(せん妄でない患者に正しくせん妄ではないと判定する確率)はというとCAM-ICUの方が高いように感じます。
*詳しく知りたい方は文献を。Freeですので。(ちなみにPMIDをPubmedの検索窓にいれるとすぐに文献をHitさせることができます。)
まあ、これらの研究は対象が限定されていない(人工呼吸患者だけで行われていたり、そうじゃなかったり。。普通は鎮静下での判定が難しい。)ため、どれだけこのデータから物が言えるかは分からない。
確かに、ICDSCの方がみんなにつけてみて!というときのハードルは低そう。CAM-ICUは業務が増える!って怒る人もいるかもしれない。そういうときはICDSCをとりあえず導入するのもありなのかな(やらないよりはマシ)。ピンポイントで患者に接する職種ではCAM-ICUに抵抗は無いかもしれないけれど、ずっと接する看護師はCAM-ICUって少し抵抗がある気がする(患者がまたテストかよ!って思わないかどうか)。
でも、ICDSCの難点は患者に聞かないため、正確でない気がすること(上記のようなデータはあるけど、印象としてね)。実際に見た目にはせん妄じゃないんだけど、ASE(「1」といったら手を握ってくださいってやつ)をやってみるとPositiveだったという例は結構経験する気がする。抑制をしないという判断をする際、ICDSCでNegでしたという場合とCAM-ICUでNegでしたという場合、どちらが自信をもって抑制を外せるだろうか。。
などと考えていると、もしかしたら私たちの知りたいことってせん妄の正確な診断でなく、自己抜管しそうかどうか、つまり予想外の行動をするかどうか、ってことじゃないだろうか?と思ったり。。。
結局結論はでませんが。。
それぞれの特徴を主観も交えて解説すると、
CAM-ICU
良い点:
多くの論文で使用されている(ICDSCも使用されているが、CAM-ICUの方が多いと思います)。
ピンポイントで今せん妄かを評価することができる。
悪い点:
患者に質問しなければならないため、手間がかかる。
場合によっては、失礼な?質問をしなければならない。怒る患者もいるかもしれない。
陽性、陰性しかわからないため、重症度に関しては分からない。
ピンポイントでの判定しかできない。
ICDSC
良い点:
患者の協力が得られず簡便である。
ピンポイントでなく、ある一定の時間におけるせん妄の有無を評価できる。
点数化されているため、重症度をなんとなく知ることができる(真の意味で重症度が直線的に表されているかは置いておいて)。
悪い点:
CAM-ICUに比較するとマイナーである。
ピンポイントで今現在の評価をできない。
で、それぞれ、どのくらいせん妄を正しく評価できるのでしょうか。
メタアナリシスしている研究があるので、それを見てみましょう。
Gusmao-Flores, D., Salluh, J. I., Chalhub, R. A., & Quarantini, L. C. (2012). The Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit (CAM-ICU) and Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC) for the diagnosis of delirium: a systematic review and meta-analysis of clinical studies. Crit Care, 16(4), R115. doi:10.1186/cc11407
PMID: 22759376
CAM-ICU:感度 0.80 (0.77-0.83)、特異度 0.96 (0.95-0.97)
ICDSC: 感度 0.74 (0.65-0.81)、特異度 0.82 (0.76-0.86)
感度、つまりせん妄である患者をせん妄と判定できる確率はCAM-ICUが80%に対してICDSCは74%。少し差があるように見えるけれど、信頼区間を考慮に入れるとあまり差はなさそう。で、特異度(せん妄でない患者に正しくせん妄ではないと判定する確率)はというとCAM-ICUの方が高いように感じます。
*詳しく知りたい方は文献を。Freeですので。(ちなみにPMIDをPubmedの検索窓にいれるとすぐに文献をHitさせることができます。)
まあ、これらの研究は対象が限定されていない(人工呼吸患者だけで行われていたり、そうじゃなかったり。。普通は鎮静下での判定が難しい。)ため、どれだけこのデータから物が言えるかは分からない。
確かに、ICDSCの方がみんなにつけてみて!というときのハードルは低そう。CAM-ICUは業務が増える!って怒る人もいるかもしれない。そういうときはICDSCをとりあえず導入するのもありなのかな(やらないよりはマシ)。ピンポイントで患者に接する職種ではCAM-ICUに抵抗は無いかもしれないけれど、ずっと接する看護師はCAM-ICUって少し抵抗がある気がする(患者がまたテストかよ!って思わないかどうか)。
でも、ICDSCの難点は患者に聞かないため、正確でない気がすること(上記のようなデータはあるけど、印象としてね)。実際に見た目にはせん妄じゃないんだけど、ASE(「1」といったら手を握ってくださいってやつ)をやってみるとPositiveだったという例は結構経験する気がする。抑制をしないという判断をする際、ICDSCでNegでしたという場合とCAM-ICUでNegでしたという場合、どちらが自信をもって抑制を外せるだろうか。。
などと考えていると、もしかしたら私たちの知りたいことってせん妄の正確な診断でなく、自己抜管しそうかどうか、つまり予想外の行動をするかどうか、ってことじゃないだろうか?と思ったり。。。
結局結論はでませんが。。
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