CaO2、DO2とは?
動脈血酸素含量(CaO2)は1Lあたりに含まれる酸素の「量」を示します。実は、我々がみている動脈血酸素分圧(PaO2)は動脈血に溶存している酸素を見ているにすぎません。
血液中で酸素のほとんどはヘモグロビンと結合しているため、血液中の酸素の「量」を知りたい場合、ヘモグロビンを考慮に入れる必要があります。CaO2は以下の式で表すことができます。
CaO2=(1.34×Hb×SaO2)+ (0.003×PaO2)
この式で分かるとおり、血中に含まれる酸素の量はPaO2よりもむしろヘモグロビンと酸素飽和度(SaO2)に依存します。酸素飽和度はパルスオキシメーターで簡単に知ることができるのですが、意外と重要なことが分かりますよね。また、いくらPaO2が高値を示していても、ヘモグロビンが低ければ効果的でないことが分かります。
CaO2は動脈血中に含まれる酸素の量ですが、これは含まれているだけであって、実際に組織へ運ばれているわけではありません。実際の組織へ運ばれる酸素の量(酸素運搬量:DO2)は、動脈血酸素含量に心拍出量を掛けたものとなります。
DO2=CO×CaO2
となります。DO2は「デリバリーオーツー」と臨床では呼ばれることがありますので、覚えておくとお得です。
組織への酸素供給を考えるときには、酸素飽和度とヘモグロビン、それに心拍出量(CO)ですね。