患者不在の家族看護
集中治療や救急の現場で、成人患者のケアにあたる人々が家族看護という場合、 家族看護という言葉が(家族とは患者を含めた言葉であるにもかかわらず)患者を除くその他の家族構成員に主眼が置かれているなあ~と感じてしまうことがある。 特に、重症な患者で、患者本人に出来ることが少ない場合に・・・ (家族看護という言葉で、患者から目を背けているようにもみえる。個人的に感じているだけかもしれないが…) むろん、重症疾患患者の家族に対して適切な対応をとることに異論はない しかし、我々の顧客は患者、その人である 家族看護やケアは、患者が最大限の利益をえられるために存在するべきだと思う 小児患者のケアにあたる人々が家族看護という場合には、この点に対する考えが根底にあることがはっきりと伝わってくることが多い。 このことは、そもそも児が家族を必要とする割合が本来的に高いせいかもしれない(たとえば、家族システムが破綻し育児を放棄された児が受ける悪影響は計り知れないことなど)。 成人患者を対象とする場合においても、こういったことを忘れないように意識しながら、家族看護という言葉を使用し、また実践していきたいと思う 以前、JSEPTICの論文紹介で、患者・家族のPTSD症状はお互いのPTSD症状やQOLに影響を与えるかもしれないという論文を紹介した。 http://www.jseptic.com/nursing_paper/update/np_003.pdf 集中治療室に入室した患者の家族は心にダメージを受ける。 そして、そのことが患者に直接、または患者を取り巻く家族というシステムを介して悪影響をおよぼさないように家族に看護を提供する、そういった意識をもつ必要があるのではないか (少なくとも患者ではなく、家族の中の構成員であるAさんの心のケアのみが目的であれば、家族看護というより、その人(Aさん)に対する看護といえないか?) そして、今回は、ICUにおけるケアが死亡した患者の家族の精神状態にどのような影響を与えるのかを検討した論文を紹介した その中で、緩和ケア相談やスピリチュアルケアの専門家やソーシャルワーカーの介入の有無では差は無く、人工呼吸療法から撤退の指示などが家族の精神的な合併症を減らしたといった結果が報告されている。 このことは「患者...