身体拘束

身体拘束はせん妄を引き起こすとうデータもあるし、PTSDと関連しているというデータもある(両者ともそれほどエビデンスレベルが高い訳じゃないが)。
身体抑制はできるだけ無くしたいものだ。これはエビデンスどうこうの問題ではなく、道徳とか倫理観の問題である。
でも、身体拘束をしないとチューブ類を抜去されると言うひとがいる。滑稽なのは、彼らは患者のために抑制が必要だと言うことだ。(でも突っ込んでみると、インシデントを起こすことが怖いらしい)。

たぶん、抑制をしたがるひと(こういうひと、いるんです。実際。)は、拘束が重大な人権侵害だということに気がついていないのかもしれない。
自己抜去の怖さは組織文化にもよる。何かあると個人を責めるとか。で、このへんで患者のための抑制がここで自分を守るために抑制にすり替わってくる。

抑制をがっちりして、眠らせちゃえば自己抜去は確実に減少するはず。でも、浅い鎮静管理で人数も少ない中、どうやって抑制を少なくして患者を見るか(これは注意をどのくらい払うか、鎮静管理をどうするか、どうせん妄を評価するかを含めて総合的に判断する)が看護師のプロフェッショナリズムではなかろうか?

一件の自己抜管のために、99人を抑制するのは何か間違ってないかな。
もし、抑制しなくて自己抜去が起きたら、こう考えて欲しい。
①それはそもそも不要なラインじゃなかったか。
②抑制なしで他に抜かれないような方法がなかったか?ここでは適切な鎮痛や鎮静が大切になったりする。
これらをクリアした上で、抑制をしたくないけどすることになると思う。②でどれだけ良いアイデアが出るかが勝負じゃなかろうか。
いずれにせよ、抑制をしないという行為にリスクはつきものである。
リスクを負いたくないのであれば医療従事者の資格がない、といいきっちゃても、ざわつくだろうけど、ちょっとそう思う。

でも人手がない、という意見もよく気かれる。適切な鎮静鎮痛管理ができていれば人手はいらないんです。挿管患者に意識があったら見守りが必要というのは幻です。
そうじゃなくってもいつまでも人手のせいにできないでしょう。今できる環境のなかで最善はなにかを考えることが大切なのです。解決問題、例えばスタッフがすくない、なんて、騒いだって一緒なのだから、できる範囲でどうしようか前向きに考えることが大切だと思うんだけどな。

○○抜かれました。対策:抑制をしっかりする

じゃ、なんかねえ。

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