鼻腔、口腔、気管のうち、どこから吸引するのが、正しいのでしょうか?

JSEPTIC_Nursing メーリングリストからの転載です。
 

諸説ありそうですね。鼻腔と口腔どちらかはおいておいて、上気道と下気道に分けると、
割とよくみられるのは、気道(下気道)よりも先に口腔(鼻腔、上気道)を吸引するというものです。
その理由としては、気管吸引時に上気道から下気道にむかって垂れ込みが起こるという説が挙げられています。
この説は?と思うことがあって、なぜなら、咳嗽反射があれば気管吸引時にはカフより末梢の気道内圧は陽圧になるので、分泌物の移動はカフ上部→カ フ下部ではなく、むしろカフ下部→カフ上部になると思われるからです。
実際に、気管吸引すると口腔内から喀痰が引ける場合がありますよね。
なので、気管吸引時に上気道から下気道にむかって垂れ込みが起こるという説はどうかなと思っています。

反対に下気道から先に吸引するという意見は、昔の吸引カテを使い回していた時代(下気道から先にすると吸引カテが一本ですむ。)の名残なのかなと 思ったりします。(ただ、先ほどの「気管吸引すると口腔内から喀痰が引ける場合がありますよね」現象から言うとこの説にも説得力があります。)

どちらを先に吸引するかという研究は私の知る限りないかと思います。なので、個人的にはどちらでもいいのではないかと思います。個人個人で、 どちらが先という慣れや考えがあるかと思いますが、ほかのひとに「こちらが先じゃないとだめでしょ!」と押し付けるだけの根拠はないかと思い ます。「まあ、いろいろなやり方があるよね。どちらでもいいんじゃない」というのが私の意見です。
助けになっていれば幸いです。

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つぎのような意見もあります。

少し論点がずれてしまうのかもしれませんが、鼻腔吸引が特に必要となるのは非挿管患者でかつ口腔内まで喀痰できない患者かなと思います。つま り、意識障害がある患者とか、嚥下障害や筋力低下などで喉頭周辺で分泌物がゴロゴロしている場合とかでしょうか。そういった患者の吸引は本来、口腔内から が理想的なのでしょうが(鼻腔粘膜損傷のリスクとかで…。)、口を開けてくれなかったり、開けてくれても吸引チューブを舌で巧みによけられたり、噛まれた りしてうまく挿入できない場合が多くて、結局鼻腔から吸引しないといけないですよね。

鼻腔吸引の目的は上気道(喉頭より口腔側)の分泌物除去です。一番奥まで入っても喉頭なのだから誤嚥というわけ ではないだろうと思いますが、ほんとかな?と思います。咳嗽時は強い吸気も伴いますので、その際に吸引チューブが喉頭あたりにあったら、少なからず気管に 入っちゃうのではないかと思うと、それは感染面でどうなのだろう?と思っていました。あくまでも個人的な考えで、ちゃんと調べたわけではないのですが…。 すみません。でもだとすると、口腔内を吸引したチューブで鼻腔内を吸引するのは感染の誘発にならないだろうか…と心配になります。そもそも、鼻腔内だけで も同じことですが…。

しかし、鼻腔内を吸引したチューブで口腔内を吸引することは患者さんにとってはとても不快なことだと思いま す。さらに、鼻腔内吸引は鼻腔粘膜の損傷などのリスクも伴いますから、できればしない方がよい…のであれば、開口しない患者にはバイドブロックやマウス ピースを使用したり、舌でよけちゃう患者には他の看護師に舌圧子などで抑えていてもらうなどして、口腔内から吸引する、どうしてもとれなかったら、鼻腔内 から吸引が良いように思います。つまりそれらの背景から、口腔内から先に吸引するのが良いのかなと思います。それだと口腔内にある分泌物が流れ込むことも 防げますよね。

JSEPTIC_Nursing メーリングリストからでした。

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