A-lineからのカテ感染

A-lineからのカテ感染っていうのはあまりメジャーじゃないかもしれないけれど、実際にはどの程度あるのでしょう?


Critical Care MedicineのAhead of Print(これから発行される)から
O’Horo, J. C., Maki, D. G., Krupp, A. E., & Safdar, N. (2014). Arterial Catheters as a Source of Bloodstream Infection. Critical Care Medicine, 1. 

49件の論文をメタアナライシス(ようするにたくさんの論文を統計学的に統合して結果をみた)し、A-lineからのカテ感染がどのくらいあるのかをみた研究です。
結果は、1000カテーテルデイズあたり、0.96件の発生。このカテーテルデイズ(catheter days)あたり、○○というのは、挿入日数を合計し、そのうち何件発生したかをみる方法。Aさんが3日間、Bさんが10日間、Cさん7日間、A-lineを挿入されていて、Bさんにカテ感染ということになった場合、3+10+7= 20 catheter daysに1件起こったことになる。この20 catheter days を1000に直して算出したのが、「1000カテーテルデイズあたり**」になる。
雰囲気で言うと、10日間A-lineが入り続けている患者が、100人いたとして、そのうち1人がA-line由来のカテ感染を受けているかも、という感じ。これは研究によっても異なって、ルーチンにカテ先の培養を行っている研究だけ取り出すと、1.26/1000 catheter daysと少し上昇するそう。
ちなみに、CVの場合、2.5 / 1000 catheter daysあたり*みたいだから、その半分くらいの発生率らしい。思ったより高い?


*Marik, P. E., Flemmer, M., & Harrison, W. (2012). The risk of catheter-related bloodstream infection with femoral venous catheters as compared to subclavian and internal jugular venous catheters. Critical Care Medicine, 40(8), 2479–2485.

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