看護研究 パート2

3年目とかになれば強制的にやらされたりする研究ですが。。。ちなみに個人的には研究は好きな人がやればいいと思ってます。いろいろな働き方は許容すべき。仮にまじめにやろうと思っても、病院の看護職員は研究者番号もらえなかったりするしね(研究資金を得るのが困難だし、労務上、研究は職務に入っていない。)。
とはいえ、現状を明らかにしたり、よりよいケアを追求するには研究は重要なこと。

少し前からだけれども、看護に関連して、生物学的データを使用した研究を看護師がやるムードができつつある。(アメリカでは6年前くらいからその辺、ちから入れてる印象がある) 今まではストレスを計るにしても質問紙だったのが、それと同時に血清のストレスに関連するホルモンやサイトカインを計ったりしてね。まだまだ途上ではあると思うけれど、幅が広がるのはいいんじゃないかなー。

これは最近出た看護師の論文。IL-6とアポプロテインEが重症患者のせん妄に関連しているんじゃないかという研究。すでにたくさん言われているけど、やっぱり環境だけじゃなくって炎症や侵襲も関連してそうだね。


Alexander, S. A., Ren, D., Gunn, S. R., Kochanek, P. M., Tate, J., Ikonomovic, M., & Conley, Y. P. (2014). Interleukin 6 and apolipoprotein E as predictors of acute brain dysfunction and survival in critical care patients. American Journal of Critical Care, 23(1), 49–57. 

ちなみにAmerican Journal of Critical Care は医学系の論文も出せなくはないけど、基本的にはアメリカクリティカルケア看護協会の雑誌なので看護系の雑誌。
Dr Alexanderは看護師でピッツバーグ大学看護学部の教員。昔からSAHのバイオマーカーの研究をやってたひと。
日本ではそれは看護の研究なのかとか医学の研究だとかいろいろ言う人がいるけど(生物学的なアウトカムを嫌がったりね)、臨床でやってれば、看護に「関係」しているかどうかわかると思うんだよね。

Dr Alexanderの研究は看護師にとって興味深い研究じゃない?みんな困っているせん妄のメカニズムを解明する一助になるわけだから。看護師であれば「看護師的」に疑問をもつことであれば何でもいいと思うけどなあ。薬剤の研究とかになればなんだか「離れた」なあと思うけど。

で、この論文。

Sakuramoto, H., Shimojo, N., Jesmin, S., Unoki, T., Kamiyama, J., Oki, M., et al. (2013). Repeated open endotracheal suctioning causes gradual desaturation but does not exacerbate lung injury compared to closed endotracheal suctioning in a rabbit model of ARDS. BMC Anesthesiology, 13(1), 47. doi:10.1186/1471-2253-13-47

開放式吸引が閉鎖式吸引と比較してVILIを進行させるかを検討した動物実験。筆頭著者はたまにこのブログに書き込んでいる看護師。結果は開放式吸引は酸素化は悪くなるけど、形態学的には悪いという証拠はなかったという研究。結果はまあ、おいといて、動物実験でサイトカインとかmRNAの発現とかみてる。でもネタは看護っぽいでしょ? こういう研究もこれから進むといいなあ。


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