ICU患者の睡眠

ICUにおける睡眠に関しては、まだまだよく分からないことがあるのだが、調べられてはいる。
とりあえず分かっていることは、浅い眠り、というかまどろみであるStage 1、Stage 2が多いということと、REM睡眠が少なくなるということ。REM睡眠では、脳は覚醒時と同じ、あるいはそれ以上に活動している。しかし、体は動かない状態。おそらくこの睡眠には何らかの役割があるのだろうけれどもよく分かっていないそう。
Stage 1、2とREM睡眠が少なくなると、相対的に深い眠りである除波睡眠は少なくなる。あと、覚醒が頻回になることも特徴。
簡単にいうと、浅い眠りですぐに覚醒するという状態にあるらしい。
これはどんな理由によるのかというと、いろいろな要因があるっぽい。

簡単に想像できるのは、騒音や光。特に騒音は患者が感じる「起こされた」原因みたい。
他にも、鎮静剤の影響もある。鎮静剤は確かに意識レベルを低下させる方向にもっていくのだけれども、以前ブログにあったように、REM睡眠を少なくする。
また、疾患、特に敗血症は睡眠の質を変えてしまうみたい。なので、環境だけ整えればぐっすり、という訳でもない。もちろん、環境を整えることは重要だが。

そもそも睡眠の目的、役割自体がまだまだはっきり分かっていないので、これらが患者に与える影響はよく解明されていない。REM睡眠が短いことがどのように影響するのか?とかね。
今後の研究に乞うご期待。


Elliott, R., McKinley, S., Cistulli, P., & Fien, M. (2013). Characterisation of sleep in intensive care using 24-hour polysomnography: an observational study. Crit Care, 17(2), R46. doi:10.1186/cc12565


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