Chemical Restraint?

Chemical Restraintー直訳すると化学的抑制という言葉がある。
ちなみに身体抑制はPhysical(身体) Restraint(抑制)。
Chemical Restraintとは薬を使った抑制、つまり鎮静薬を使用して動かなくすること。
倫理的には、Physical RestraintとChemical Restraintは同等らしい。

イギリスではPhysical RestraintよりもChemical Restraintを好む傾向にあるとのこと。
なぜなら、Chemical Restraintの方が”ケアリング”にみえるから、ということ。

確かに欧州で身体抑制の現状を調査したSPICE studyでもイギリスでの身体抑制は0%だ。

マンパワーの問題だけなのか、他に何かあるでしょうか。

これとはあまり関係ないかもしれないけど、インシデントへの恐怖は身体抑制を後押しするひとつの要因な気がします。(最近の讃井先生のtweetにもありましたが。)
医療安全上は、インシデントやアクシデントの原因を個人の能力に帰属させないというのが常識だとは思うのですが、施設によっては個人(その能力)に対して攻撃を加えるところもあるらしい。
まずは、医療安全上の問題を個人の能力ではなくシステムの問題だと捉えることから初めかればいけないのかもしれませんね。もしかしたらマンパワーよりこちらが重要なのかも。
自己抜管がおきたら
①再挿管をしたのかどうか?(再挿管が不必要なのであれば、不必要な挿管が行われていたことになる。つまり、早めに抜いてくれればこのアクシデントは起こらなかった。)
②身体抑制が行われていても、そうでなくても、評価が行われているか。具体的にはCAM-ICUの評価が適切に行われていたか。
を見直す必要があります。
ほとんどの自己抜管の患者は身体抑制が行われています。身体抑制が行われていても自己抜管は起こるんです。


Benbenbishty, J., Adam, S., & Endacott, R. (2010). Physical restraint use in intensive care units across Europe: the PRICE study. Intensive & critical care nursing, 26(5), 241–245. 

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