動脈圧・中心静脈圧などの測定方法

Q:動脈圧(ABP)や中心静脈圧(CVP)などはベッドをフラットにして測定した方がいいですか?心不全や頭部外傷の患者さんに対しては、モニタリングで負荷がかかるように思います。また、頭部挙上したままABPを測定する場合、再度0点校正をした方がよいですか?


A:個人的には、ベッドをフラットにしても、問題がないと思われる患者さんならば、フラットにして測定しています。

ベッドの頭部挙上の角度が、APBやCVP、スワン・ガンツカテーテルでの心拍出量など測定値に影響を及ぼすかに関しては、あまり多く研究されていません。

数少ない知見では、0度、30度、45度の間で、心拍出量を除く他のスワン・ガンツカテーテルの測定値に差はなかったとされています。心拍出量も臨床的に考えると大きな影響のない範囲であったとされています

Wilson AE, Bermingham-Mitchell K, Wells N, Zachary K. Effect of backrest position on hemodynamic and right ventricular measurements in critically ill adults. Am J Crit Care. 1996 Jul;5(4):264-70. PMID: 8811148

もちろん頭部挙上した状態での測定では、トランスデューサーを0点校正した体の位置に調整し直す必要があります。
0点校正とは、モニターに血圧が0mmHg となる位置を記憶させる作業です。一度覚えさせてしまえば、位置を調整後に再度0点をする必要はありませんので、位置を調節するだけでかまいません。個人的には、ABPの測定値が正しいかどうか評価するために、勤務のはじめに0点校正と参考値としてのNIBP(カフ血圧)を測定しています 。


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