エアマットのモードと循環・呼吸変動


Intensive Care Medicine誌のLetterからです。


Bein, T., Strassburger, K., Graf, B. M., & Göcze, I. (2013). Surprising physiologic side effects of an alternating pressure air mattress during prone position in an ARDS patient. Intensive Care Medicine




まだきちんと紙上では出版されていないので、「ページ」はついていません。
エアマットレスの圧切替モードで腹臥位のARDS患者の循環、酸素化が変化した、という報告です。

患者は80歳男性(78kg)、交通外傷で肺挫傷、胸骨骨折、肋骨骨折、その他四肢にもろもろの骨折です。P/Fは82、重症ARDSということで挿管管理のうえ、腹臥位を実施しました。循環も不安定でノルアドレナリンを0.3μg/kg/minで投与しています。
で、圧切替型のマットレスを使用していたのですが、そこで、圧切替(10分)と同調するような収縮期血圧、心拍数、酸素飽和度の変化がみられたということです。確かに論文に示されているバイタルサインをみると周期的に変化しています。

この周期的な変化は圧切替から静止に変えると止まり、また、仰臥位では周期的な変化は起こらなかったとのことです。著者は圧の切り替えが胸腔内圧や腹腔内圧に影響を与え、循環、呼吸に影響を与えた可能性がある、と述べています。

個人的には、骨折の部位が部位だし、痛みへの影響はどうなんだろうかとも思ったりしますが、エアマットレスの動作ひとつでバイタルサインに影響を与える可能性があるんだなあと思ったLetterでした。もしかしたらいままで見逃していたかも。
周期的な変化をみたら、マットレスの圧切替もちょっと考えてみよう、ですかね。




コメント

このブログの人気の投稿

カフ圧計がないのですが・・・・

CAM-ICUとICDSCどちらが良い?

急性心筋梗塞、PCI後は心筋酵素のピークアウトまでケアは控えるべき?