ScvO2モニタリングは持続的?間欠的?どっちがいいの?


敗血症に対するScvO2のモニタリングについて以前アンケートをとりましたが、持続的vs間欠的どちらがいいの?という議論がMLでもされました。今回、Emerg Med Jでパイロットスタディが行われました。

Huh JW, Oh BJ, Lim CM, Hong SB, Koh Y.(2013). Comparison of clinical outcomes between intermittent and continuous monitoring of central venous oxygen saturation (ScvO2) in patients with severe sepsis and septic shock: a pilot study. Emergency Medicine Journal, Nov;30(11):906-9

教育病院での単施設試験。
重症敗血症・敗血症性ショックの106名の患者さんに対して、ScvO2を持続的モニタリング(n=53)と間欠的モニタリング(n=53)に振り分けてEGDTが達成できているか調べたもの。
結果はEGDT達成率に有意差なし。死亡率、ICU滞在日数も有意差がなかったみたいです。

まだパイロットスタディであり、教育病院での試験なのでこの結果を踏まえて「よしっ!ScvO2持続モニタリングはいらないぞっ!」というものではありません。持続のメリットとしては、①治療の評価、②ケアの評価があると思います。①について考えると、大量輸液、カテコラミン投与開始してもScvO2が改善できない患者さんもたまにいます。そういった時は早期に他の対応が必要ですし、早期に気づける持続はよかったと思える経験もあります。②でも、体位変換、ベッドアップなどのケアはいつやるの!「今でしょっ!」「ScvO2下がったからやっぱやめた。」と評価できたりします。

逆に、「うちには予算が、、。持続では変えないわ。」という施設も、EGDT治療開始時や随時、CVルートから血ガス(ScvO2)を測り間欠的に評価する事ができます。「ScvO2の持続モニタリングがなくても敗血症の治療はできます。」と言う先生もおられ、心強く思いますし、筆頭者も「EGDT達成する上でScvO2が間欠的であっても、持続的モニタリングには劣らない。」と締めくくっています。

どのようにモニタリングするかが重要ではなく、どのように治療・ケアするのかが重要だと思います。このスタディはその事を教えてくれますね。下のアンケート結果は以前JSEPTIC看護部でとったものです。参考までに。


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